極楽寺医学塾

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特別講座 その11 癌はなぜできるのでしょうか?

癌はなぜできるのでしょうか?今日はその原因についてお話しをしたいと思います。

癌が発生する原因、リスクファクターについては今までいくつかの要因が証明されてきました。基礎医学的には、東大の山崎勝三郎博士によるウサギの耳にコールタールを塗り続ける化学発がんの実験が有名です。

今日、ヒトの癌においてもいくつかの原因がわかってきました。

0.化学物質

1.ウィルス

子宮頚がんはHPV(ヒトパピローマウィルス)が関連していることは周知の事実です。

その他、バーキットリンパ腫はEBウィルスも有名です。ウィルスが発がん因子の一つであることには間違いなさそうです。

2.放射線

放射線障害が甲状腺癌や血液腫瘍の原因になっていることが伺われています。

3.慢性炎症

慢性炎症にも原因はたくさんあります。

慢性胃炎を引き起こすピロリ菌が胃がんの発生に強く関与していることが分かりました。

またピロリ菌はマルトリンパ腫という血液系の腫瘍も引き起こします。

B型、C型肝炎ウィルスによる慢性肝炎は肝臓癌を引き起こすことが知られています。

このように臓器、組織で慢性的な炎症が持続すると悪性腫瘍を引き起こす要因になるようです。

こう見るとやはり細胞の遺伝子に何か影響を及ぼし、作用するようなものが発がん因子になっているようです。

またこのエビデンスを知って、その危険因子を取り除くようにすれば、ある種の癌の発生を予防することができます

特別講座 癌 その10 癌は多種多様

癌は100人いれば100通りの癌がいると言っていいほど様々なパターンがある病気です。

発生する臓器によってもことなり、そこで出来てくる癌細胞も様々あれば、どんな風に発育して、どのような組織を形成して、どのように進展していくのか?癌細胞によって、その組織によって、その人によって多種多様です。

特別講座 癌 その9 癌遺伝子と癌抑制遺伝子

癌細胞は遺伝子の異常(遺伝子の変異や発現異常)が原因で生じる病気であると言われています。

特に癌細胞を引き起こすアクセルとなる癌遺伝子や癌細胞の発現を抑える働きの癌抑制遺伝子に関しては、その遺伝子コードも解析され、抗がん剤の治療判定などに実際に活用されています。

しかし根本的な問題は本当に遺伝子にあるのでしょうか?確かに抗がん剤が効く癌、効かない癌の種類がわかったり、細胞の活動や増殖には深い関わりがあることはわかりますが、何かまだ癌については別の根本的問題があるような気がしています。

この遺伝子の話題は私が医者になったころからずっと言われていました。

しかし何かがずっと同じところで止まっているように感じるのです。

何かブレークスルーをするような新たな医学の発展を期待したいと願います。

特別講座 癌 その8 癌細胞と正常細胞の相互作用

以前のところでも、ご紹介しましたが癌と言う病気は癌細胞だけが引き起こしている訳ではありません。

身体の中において癌細胞が働きかけ?宿主のいろんな細胞とinteractionを起こしています。

もし体内で悪性な資質を持つ細胞が現れても、細胞レベルでそれが増殖しないように制御されているのか?またそれが存続し、増殖した時にも免疫その他の機構で自然に体内から除去されるメカニズムがありそうです。

しかし一度癌が体内に巣を作って蔓延りだすとそうはなりません。

私の印象では、体内ないろんな細胞が癌を育て応援する方向に向かってしまうような感じがします。

前にも話しましたが、いろんな免疫担当細胞が刺激をして、持続的な繊維化や血管新生を引き起こして癌は更に進行していきます。

もしかしたら浸潤や転移などの現象はこの正常細胞とのinteractionによって引き起こされているのではないか?と以前から考えていました。

だからこそ、癌の治療の際には、癌細胞を叩くことだけを狙うのではなく、体内で起きている生体反応を熟知しながら、治療を進めるべきではないかと思うのです。

https://cancerres.aacrjournals.org/content/66/23/11293

特別講座 癌 その7 癌細胞のモンスターパワー

癌細胞はとにかくタフでアグレッシブです。

どんなに厳しい環境でも、ペースを落とすことなく、ガンガンに活動して増殖します。

実際にいろんな癌細胞を継代培養をしていくとそのことがよくわかります。

通常、正常な細胞は、自己制御がかかっているので、周りの環境に合わせ、自分の活動を抑え、そんなに増えることはありませんが、癌細胞は周りの状況など御構い無しに、どんどん増殖します(例えば正常細胞は周りの栄養状態が悪くなったり、ある程度、細胞が増えて、培地にキツキツになると増殖をストップするのですが、癌細胞にはそのリミッターがないのです)

実際にいろんな癌細胞を継代培養をしていくとそのことがよくわかります。

癌細胞は正常細胞とは異なる何か違うモンスターパワーを持っている感じがするのです。

 

 

特別講座 癌 その6 癌細胞もひとつでは弱い

私がアメリカで癌の研究をしていた時に感じたことは細胞ひとつでは非常に弱いと言うことである。

正常細胞から癌細胞まで、いろんな細胞を培養し、実験したが、生存し、増えていくためにはたくさんの細胞があった方がいい。

例え、タフでアグレッシブな癌細胞いろんな意味におい

特別講座 癌 その5 癌はいろんな細胞からできている

癌の組織は単一の癌細胞からできているわけではありません。

その中の組織は、免疫応答細胞や線維芽細胞や血管新生細胞などいろんな細胞が混ざり合ってできているのです。

これがまた癌の治療が難しい理由になっていると思います。

癌細胞が正常な組織の中に混ざりこんでいるため、癌細胞だけ叩くことが難しいのです。その組織の中に抗がん剤が届かなかったり、放射線が効きにくくなっていたり、免疫反応が内部で起きなかったりしてしまうのです(指図、一度、暴動が起きた時にの中の問題な人だけを取り出して抑えることが難しいことに通じるものがあります) だからこそ癌を治療する場合にはトータルでの考え方やアプローチが必要なのだと思ういます