極楽寺医学塾

road to success

医者の基本は人を知ること

お医者さんの仕事は人の怪我や病を癒し、治るお手伝いをすることです。

怪我や病気を治すのはあくまで患者さん本人であり、自然治癒力が大事です

無理なことな無理で、かえって体調を崩してしまり、おかしなことになります。

それ故に人の身体を知ることが大事

特別講座 その15 癌と免疫 (2)

癌に対して私達の免疫はどのように関わっているのでしょうか?これって超、謎です。

大体免疫学自体が未だ完全には解明されていません。

ましてや体内から発生した癌と言うオバケ細胞に対して私達の免疫がどう働いているのかなんて未だ未だ未知なことがたくさんあるようです。

でも確かに私達の体内の免疫担当細胞たちは癌に対しても何かしらのアクションをしています。

体内で明らかに異常か細胞が発生した場合、NK細胞やマクロファージのような細胞が処理をしているし、抗体も癌に対し大きな作用を持っています。しかし、それが生体内で実際にいつ、どれくらい、どのような反応をしているのかわかりません。

昔、私的な実験で、癌細胞を認識したリンパ球を増やして癌移植モデルの動物に摂取する実験をしましたが、成熟したリンパ球は体内に長くは留まらず、直ぐに消えてしまいました(まだ予備段階のような実験でしたが)

癌を制御するには免疫反応の持続的なワークが必要です。

でも癌はタフでずる賢く免疫反応を逃れて、増殖し、一度、勢力を拡大すると気がついた時には自分の免疫が対応できなくなってしまいます

血液腫瘍はバラバラのシングルセルなため、免疫作用が直接反応してわかりやすいのですが、固形癌には前にも話したように、癌細胞だけでなく、免疫炎症細胞や線維芽細胞や血管新生細胞など自己の細胞が混ざり合っているので、免疫が働きにくいのです。

癌が発生した初期の段階、癌が進行した段階で実際に免疫がどのように反応しているのか?

その機構から免疫を癌の治療にどう活かすのが大きな課題です。

これからの腫瘍免疫の更なる発展を期待したいと思います。

特別講座 その14 癌と免疫 (1)

このテーマは癌の性質や治療を語る上でとても重要なポイントです。

昨今の自然科学の発展に伴い免疫学も急速に進歩しました。正直言って今の自分の知識では最先端の腫瘍免疫については十分な知識と理解は持ち合わせていません。そのレベルにおいてですが敢えてこのお話しを進めていきたいと思います

私達の体内には、いろんな遺物や病原体に対して排除する免疫機構が備わっています。

また私達の身体の中で何か異常な細胞(前癌病変、癌細胞)が現れた際にも、この免疫機構が働くことはわかっています。

しかしこれら悪性な顔つきをする細胞に対しては私達の体内から発生しているため中々認知されません。

通常、細胞の表面に何か、私達の体内にはない異常な抗原が出ていれば認識されるのでしょうが、これがないのでしょう(似たような顔つきをして潜んでいます)

通常、表面抗原を処理細胞が取り込み、提示して、それをTリンパ球が感知して免疫作用(細胞性免疫機構)が始まります(その前のNK細胞の反応もありますが)またそれとは別に異常な抗原に対する抗体産生の機能(液性免疫機構)もあります。

しかしこの自分の中から発生した癌細胞はこの機構が働きにくいのです。

また免疫機構には攻撃的な反応だけでなく、それを制御する機構があることもわかっています

(regulatory T 細胞のお話)この制御系免疫反応が自己の免疫反応を起こさないようにしていることもわかってきました。

癌は自分達が排除されないように?匠に免疫から逃れる機能を持っているようです。

では本当に癌に対しては免疫は働いていないのでしょうか?

いくつか私達の体内において免疫が働くスイッチがあると考えています

 

 

 

 

特別講座 その13 転移のメカニズム

皆さんは癌の転移と現象を知っていますか?

コトバくらいは聞いたことがあるでしょう。

癌がある臓器にできた後にそれが発育、増殖して、やがてその臓器から出て他の臓器に移り広がっていくと言う現象です。

これが癌と言う病気の治療を難しくしていて、患者さんを死に至らしめる怖い性質でもあります。

ては何故癌は転移するのでしょうか?癌細胞の特性によるもの?なのでしょうか?教科書にはまことしやかなことがたくさん書かれていますが、その実態は解明されていません。

何故なら、誰もその現象(1st contact)の事象を生でリアルタイムに見た人はいないのですから

通常、細胞は手足があるわけではないので細胞が勝手に臓器を這い出ていろんな臓器に入っていくことはありません。

またひとつの細胞では生存増殖能力は高いとは言えず、癌細胞と言っても他の臓器に簡単には生着できないと思います。

私は癌が転移するにはやはり何か身体の中の流れに乗っているものと考えています。

それは血液の流れ(血行性転移)であったり、リンパ液の流れ(リンパ行性転移)でもあったりします。

だからこそ、癌はリンパ節に転移したり、肝臓や肺など血液に乗ってトラップされやすい臓器に転移するのです。

因みに癌の進行期においては、実は病理解剖検査をすると癌は全身の臓器に転移が見られるのですよ。

また私が癌の基礎研究をしている時に、癌が転移をする場合には癌の単細胞だけではなく、何か組織的な塊(正常細胞と一緒に)で転移をしているメカニズムを考えていました(特に処理細胞である樹状細胞がその役割を果たしているのでは?などと)それくらい癌は転移ひとつとっても謎だらけなのです

特別講座 その12 癌は体内でどのように進展していくのでしょうか?

最初の頃にお話ししたように癌細胞は私達の体内から発生します(その由来は分化増殖する機能を有するある種の幹細胞からできてくると言われていますが)

その後、この異常な細胞が増殖し、まわりの細胞や組織にいろんな働きかけをしていきます。

宿主の免疫細胞と免疫反応を起こしたり、炎症を引き起こしたり、そこで、癌細胞が増殖し、浸潤するようになり、やがてその治らないキズに向かって血管新生が起きたりします。

すなわち癌の進展は癌細胞の増殖によるものだけでなく、宿主のいろんな細胞との反応(interaction)によるものが強く伺われます。

因みに癌の動物実験モデルとして、癌細胞を免疫力のないヌードマウスに移植するモデルがありますが、この場合、ヒトの身体の中で起きるような浸潤や転移の姿が見られません。

局所に癌細胞を注入するとその場所で増殖していくだけです。

このようなことからもその臓器から発生した癌細胞が姿形を変え増殖していき、周囲の正常な細胞と起こす反応(interaction)が癌の像を作っているとも言えるのではないでしょうか?