鎌倉医科大学

road to success

発熱時におけるせん妄に関して

何か重篤な感染症が起き、体内において激しい反応が起きた時にせん妄のような意識障害が見られることがしばしばあります。

興奮状態になったり、訳の分からないことを言ったり、 側から見たら頭がおかしくなってしまったのか?と思える状態になります。

精神的におかしくなってしまったのか?と思われることもありますが、これは体内においてサイトカインストームのような激しい炎症反応が起きて脳の神経回路が正常に働かなくなってしまった状態なのです。

そしてその原因を治療するとこの症状は改善されます。

だからもし何がこのように急に意識や精神活動に急な変化が起きた場合、全身に何が起きていないか?十分に注意しましょう。

重症敗血症について 総論

それでは重症感染症が来た時にどんな対応をしたらいいのか?ここにおいては重症敗血症を例にして考えてみた。

以前の私の経験から、重症敗血症にも感染の場所や原因菌に関して、いろんなタイプがあり、その程度や予後に関してもそれぞれ違う。

私が経験したのは?重症肺炎、胆道感染、バクテリアルトランスロケーション、尿路感染、カテーテル感染などなどである。

その患者さんの背景や病状や治療によっても予後が変わるのだが、往々にして尿路感染、消化器、そして呼吸器感染の順番に病状が厳しくなる。

感染巣がはっきりしていて、異物除去や排膿ドレナージなどができる場合は反応が早いが、そうでない場合はやはり抗生剤の投与が重要なポイントになる。

また呼吸器にダメージが出る場合はかなり厳しいと言えよう。

 

 

 

重症感染症を診れる病院

新型コロナでも問題となったが、実際にどのような病院なら重症感染症の治療ができるのか?考えてみた。

多分一般の人には分かりにくいと思うが、普通の医者なら見当がつく。

前にも書いたが、重症感染症で怖いのは、いろんな臓器がダメージを受けて起きる多臓器不全だ。

医療者は感染のフォーカスを見つけ迅速、かつ適切な対応をしなければならない。

感染の原因が細菌なのか?ウィルスなのか?

また感染巣はどこなのか?その場合に応じて治療が変わる。

またその治療をしながら、病状が進み、いろんな臓器にダメージが現れたら、すかさずそのバックアップサポートが必要だ。

だからこそこの全身管理のできる施設とそれに対応できるスタッフがいる病院が必要不可欠なのである。

感染に対する治療はもとより、ショック状態となった場合の循環管理、呼吸状態が悪化した場合の人工呼吸サポート、腎機能が落ちた場合の血液浄化療法、また重症な患者さんに対する栄養管理などスタッフがそれに熟知し、対応できるようにならなければならない。

別に規模は問題どはないのだ。人工呼吸器と血液浄化器があり、必要な投薬ができて、しっかりしたモニター管理があればいいのだから、

しかし実際に必要なのはマンパワーだと思う。

それに対応できるスタッフを揃えるにはかなりの労力と資金が必要になるだろう。

重症感染症について

皆さんは重症感染症についてどれくらいのことを知っているだろうか?

一般の人は多分ほとんど知識がないであろう。

もしかしたら医療者の人も、そう言う診療をしていないと自分が経験したことがないお医者さんもいるのではないだろうか?

重症感染症と言っても、その感染の場所や原因となる病原体によって様々な種類がある。

何を持って重症と言うのか?はっきりした定義は難しいが手取り早く言えば、その感染症によって命の危機があるか?どうか?と言うことになるだろう。

局所の臓器の感染症ならあまり急にどうこうはならないが、病原体が血液中に入ったり、その炎症反応が全身に波及すると、いろんな臓器に障害をきたし、ダメージを受けた臓器が働かなくなる(多臓器不全)ショック状態に陥ってしまったら状態は急激に悪化してしまう。

そうなると生命を維持できなくなる状態に陥ってしまうのである。

だからこそ発熱を甘く見てはいけない。

その発熱が危険なものかどうか?その推移を見ながら、迅速かつ適切な対応を考えなければならない。

もし状態が急激に悪化する場合は、全身管理、

いざとなった時のバックアップの準備が必要になるのである。

発熱 一般的な対応

ヒトは普段36〜37度の体温を保っている

しかし身体に何か異変が起きると体温が上昇する。基本37.5度台の発熱は異常である。

この熱が38.5度を超えるとかなり身体的にはしんどいことになるだろう。

発熱の原因は、身体内に何かしらの炎症が生じて(免疫応答反応などにより)発熱が生じる。

大事なことはその発熱の原因が何で、様子を見ていていい発熱なのか?それともヤバイ発熱なのか?と言う判断と対応の仕方である。

それでは発熱の患者さんが来た場合の対応について話を進めよう。

*発熱と言っても、世代別にいろんな人がいて、いろんな病気があり、一概にはまとめられない。あくまでもこれは一般論に過ぎない。

1.先ず患者さんを診る

呼吸や意識状態、特に苦しいところや痛いところは無さそうか?など

2.聞く

いつから、どんな発熱があるのか?身体に痛いところや苦しいところはないか?質問する。

特に呼吸や排尿や排便に関する症状は詳しく聞く。

3.バイタルを計る 基本

4.診察をする。

全身を隈無く診る フォーカスを推測する

*この段階で、この発熱の病態が重症か否かの判断をすることが大事である。

病気は刻々と状態が変わる。大事な病気を見逃すと取り返しのつかないことになる。

5.検査オーダーを考える

フォーカスを考えながら、何か特定の感染症が考えられるのか?それに応じて

血液検査、尿検査、エコー、レントゲン検査のオーダーをする。

また感染症が疑われる場合は、各種細菌培養検査をする(できれば、検体を取り、自分でグラム染色をして顕鏡する。

(ただ闇雲に検査をしても意味がないが、敗血症など重篤な感染症が疑われる場合は早めにフルチェックをした方がいいだろう。高熱が続く場合、リスクの高い症例の場合は血液培養検査が必要になるだろう)

これらの検査を迅速に行い治療を考える。

その診断に応じた治療が選択される。

重篤な感染症の場合、フルバックアップが必要になる。